書籍・雑誌

2010/09/28

9月28日(火)の酒とつまみ:塩辛納豆


サッポロ ヱビス ASUKA CRUISE まろやか熟成:350ml
新潟銘醸 越の寒中梅 純米吟醸:400ml

つまみ
中村屋 花の色よせ
ヤマトミ かつお塩辛
挽き割り納豆
胡瓜のポン酢マヨ和え
おこわのおにぎり

農学者・発酵学者の小泉武夫によると、納豆に塩辛を混ぜると酒のつまみにいいらしい。

塩辛と申しましてもいろいろな種類がありますが、一番合いますのは「酒盗」という奴です。小田原産のカツオの酒盗(マグロの酒盗もなお結構)あたりを買って参りまして、納豆をかきまわして粘りを出すときに、醤油代わりに少しずつ入れてかきまわし、和えていくのです。

納豆は小粒か挽き割り納豆がよく、納豆と酒盗の割合は好みとします。これを肴にして、辛口の純米酒あたりを熱燗にして、コピリコピリと飲りながら、じっくりとわが人生をふり返ってみると、そりゃなかなかどうして、ぐっと感じ入るものがございますよ。
小泉武夫「これがC級グルメのありったけ」 より

“コピリコピリ”などと来られては、こりゃもう試してみるより他なかろう。ということで、酒盗と辛口純米酒を買いに近所のスーパーまで出かけたんだけど、酒盗売ってない。

イカの塩辛だと、まああるんだけど、酒盗は影も形も。いや棚にはカツオ酒盗と書かれた名札が刺さってるんだけど、肝心のブツが無い。季節柄なのか今時のご時世なのか、庶民の定番と思われる桃屋の瓶詰すら無い。

売れないのかねえ。酒盗。

ちなみに酒盗と塩辛の違いってのも知らなかったんだけど、酒盗は胃と腸を塩漬けにしたもの、塩辛はそれに加えて内蔵も入れて。ってことらしい。

そもそも酒盗って何?

なるほど胃と腸しか使わないから、酒盗の方が色鮮やかで値段も高いわけね。

とはいえ、さすがにイカの塩辛じゃ、カツオと味が違いすぎるだろうってことで、別のスーパーを覗いたら、酒盗は無かったけどかつおの塩辛があったので、まあ、ここは妥協して酒盗じゃなくてもいいかってことで、298円の瓶詰塩辛買って、純米辛口っぽい酒も買って、いそいそと。

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で、塩辛納豆つくってみたんだけど、どうも。味が今ひとつ締まりがない。辛みがもうちょっと無いと。と思って、納豆付属のタレと辛子も入れたんだけど。今ひとつ。

やっぱ芥子よりワサビかな。とか、298円の塩辛じゃ値段なりかなとか、いろいろ考えだして、じっくりとわが人生をふり返ってみるどころじゃなくなった。

酒もなあ。偉そうなこといえないけど、熱燗でも、もうちょっとキリッとしてるかと思ったんだけどなあ。辛口じゃないよこれじゃ。とか八つ当たりになって。

コピリコピリとはほど遠い酒になってしまった。
_| ̄|○

2010/04/20

井上ひさし死去

たしかヘビースモーカーだったはずだから、75歳で肺がんなら、まあね。寿命かなと。

家族によると、昨年10月末に肺がんと診断され、11月から抗がん剤治療を受けていたという。

井上さんは昭和9年、山形県生まれ。上智大在学中から浅草のストリップ劇場「フランス座」文芸部に所属し、台本を書き始めた。39年からは、5年間続いた「ひょっこりひょうたん島」の台本を童話、放送作家の山元護久とともに執筆、一躍人気を集めた。
MSN産経ニュースより

割と好きな作家で、数はさほど読んでないと思うけど、どれも面白かった記憶がある。一冊選ぶとなると、なんだろ。やっぱ吉里吉里人かな。

博覧強記の人らしく緻密にして壮大、しかも言葉のギャグてんこ盛りの喜劇。

読み出したら後を引く面白さで、上下2段組みの分厚い本にもかかわらず、しおりを挟んではもうちょっとだけ、なんてやりながら、割と一気に読み切ったと思う。

駄洒落地口なんかは、日本だと軽く見られることもあるけど、生み出すには大変な労力が要ることは知ってたから、よくもまあこれだけの量を書き切ったもんだ。です。

もうね、ほのぼのとした狂気さえ感じて。

その意味では安野光雅による装幀もベストマッチ。

まあ、前妻の西舘代志子(好子)が書いた本は読んでないし、ネットの抜き書きは文脈も何もない断片が殆どなんだけど、性格円満で根っから温厚な善い人には、吉里吉里人みたいな話は書けないんじゃないか。とは思う。

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

ともかく、彼の死を知ったときに頭に浮かんだのは「ドン松五郎の生活」の一節。

あなたは短いあいだしか生きられなかったのに、ずいぶん大きな仕事をしましたね。おかげで母さんは鼻が高いわ……

安らかに。

「吉里吉里人」文庫一覧@アマゾン
「ドン松五郎の生活」文庫一覧@アマゾン

2009/06/02

20世紀少年

20世紀少年(全22巻)と完結編の21世紀少年(全2巻)。何日かに分けて、ほぼ通し読み。

1970年の万博を体験している世代だと、懐かしさがこみ上げてくるんだろうけど、直接体験してなくても面白かった。時代の空気みたいなものは分かるみたい。

映画のシーンを再現するかのようなコマ割りというか、描き方をするので、なかなか話が進まないんだけど、そのおかげで、ストーリーを理解できなくても、シーンの面白さだけで十分引き込まれる。

いろんな読み方ができると思うし、その意味で万人向けの作品。かな。

ビッグコミック・スピリッツ連載中は、細切れ過ぎて読む気になれなくて、今回借りてまとめ読み。話の流れが分かって読みやすかったんだけど、最初の頃のエピソードが出てくると、どこで出た話だったっけ、みたいな。

メモを取りながら読めばよかったかも。

自分的にはスゴくややこしい、筋立てなんだけど、最初に、最終場面のエピソードが出てくるので、浦沢直樹、あらかじめストーリー構成をほぼ完全に決定してから描き始めたんだと思う。まあ、頭脳明晰で羨ましいです。

あと、ワクチンを開発するために生物兵器を作る、という思考プロセスは、たしかエラリー・クイーンもそういうエピソードを書いてたと思うし、筒井康隆にもあったかな。

最悪の接触だったか三月ウサギだったか。コーヒーに毒が入ってることを証明するために、毒を入れるというバイオレンスな論理と実践。

子供特有の考え方なのかどうか、自分の子供時代のことは憶えていないけど、好きだこういうの。

子供の喧嘩を馬鹿にしてはいけない。と。


浦沢直樹「20世紀少年+21世紀少年」全巻まとめ買い(古本)
浦沢直樹「20世紀少年+21世紀少年」全巻まとめ買い(新刊本)

2009/02/19

消された一家

豊田正義「消された一家」
北九州で起きた連続監禁殺人事件について、DV(ドメスティック・ヴァイオレンス)の側から光を当てたノンフィクション。

かなり陰惨でグロテスクな内容だけど、最後まで読めば救われた気持ちにもなるので、読むなら控訴審判決後のあとがきまで。

加害者であると同時に、実はDV被害者でもあった緒方純子について多く割かれているが、その分、松永太は軽い扱い。松永の家族からは全く話が聞けなかったらしい。著者も書いているけど、次はやっぱり松永の内面を知りたくなる。ほとんどの殺人が松永を忖度することで起こっているしなあ。松永教祖みたいな感じ。

マインド・コントロールというか洗脳によって自由に操ったあげく、家族同士殺し合わせることすらやってのける、松永の驚異的な能力がどこで備わったのか。俺は洗脳なんかされないぞ。なんて強がってみても、被害者の一人は元警察官だったし。や、警官だから精神力が強いってこともないんだろうけど。

DVについては、昔の東京下町ならともかく、コミュニティが消えてしまった現在では、表に出てこないだけで、水面下でかなりのDVがあるんだろう。母親が逆上して赤ん坊を殺したりするけど、実は母親も現在あるいは過去においてDV被害者だったんじゃないかとか。いろいろ考えてしまった。

あ、昔はコミュニティ内でDVがあったのか・・・。
orz

あと、緒方純子は松永の呪縛から逃れられたみたいだけど、もう一人の少女(恭子)、大丈夫かなあ。裁判で父親の敵なんて言ってたけど、彼女自身だって、少なくともリンチや解体を手伝って、相当凄惨な体験をしてるんだし。精神面の手当を受けられる環境に暮らしているのだろうか。

豊田正義「消された一家」@アマゾン

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